お知らせ

五十肩・四十肩(肩関節周囲炎)

五十肩・四十肩(肩関節周囲炎)とは

五十肩とは、正式には肩関節周囲炎といい、40代〜50代の中高年に多発する疾患です。
40代で発症した場合を四十肩、50代で発症した場合は、五十肩と呼びます。

全人口の2%〜5%が罹患し、特に女性で多く見られ、糖尿病の方はさらに発症率が高まると言われています。

肩関節の炎症がおきますが、炎症がおきる原因は解明されていません。

五十肩・四十肩(肩関節周囲炎)の症状

主な症状は、肩関節の痛み、可動域の制限が挙げられます。

肩の痛みは、肩を動かす時に感じる痛みと、夜間に肩がズキズキと痛くなる夜間痛が見られます。

また、五十肩は三つの病期 「炎症期」「拘縮期」「回復期」 という経過をたどるのが一般的です。

そのため、時間の経過とともに改善していくことが多いですが、その期間は個人差があるものの、平均的には1年半程度かかると言われています。

炎症期

発症したばかりの時期を「炎症期」といい、肩関節を動かしたさいに痛みが強くでます。
夜間痛が強いのもこの時期の特徴です。夜間痛により眠れず睡眠障害になることもあります。

拘縮(こうしゅく)期

拘縮とは、関節が硬くなり、関節の可動域が低下してしまう状態のことを言います。
痛みや夜間痛は軽減してくるものの、肩の動きが制限され、日常生活に支障をきたします。

回復期

肩関節の可動域が徐々に改善してくる時期です。
しかし、この時期になっても痛みや拘縮が残ってしまったりと、症状が残ってしまう場合もあります。そのため、初期の段階から適切な診断と治療が必要と言えます。

検査・診断

肩の痛みには様々な要因が考えられます。

肩の痛みを呈する疾患としては、腱板断裂、上腕二頭筋腱炎、肩峰下滑液包炎、変形性関節症、頸椎や神経の疾患、さらには内臓由来の痛みであることもあります。
そのため、当院ではレントゲンだけでなく、MRIを用いてより正確な診断に勤めています。

また、肩関節の可動域に制限が出ることが五十肩の特徴であり、下記のような状態に当てはまれば五十肩である可能性が高いです。

  1. 腕を前に挙げる(バンザイする)ときに、顔の高さくらいまでしか挙げられない
  2. 手を背面に回す動作(エプロンの紐を結ぶ、ズボンの後ろのポケットに手を入れる)ができない、痛い
  3. 夜間痛がある

五十肩・四十肩(肩関節周囲炎)の治療

五十肩の治療には 痛みの改善とリハビリテーション が重要です。

痛みの改善

特に初期段階は、強い痛みを取り除くことが大切です。
肩関節への関節内注射、点滴、投薬を行います。

痛みを和らげることで、夜間痛による睡眠障害を防いだり、拘縮予防につながります。

リハビリテーション

理学療法士の評価、指示のもとリハビリテーションを行います。
痛みが強い時には、姿勢の調整などで痛みの軽減や、日常生活上での痛みを和らげる動作の指導を行います。

痛みの出ない範囲で、肩関節の可動域を広げるための可動域訓練も行います。

また、再発予防のための指導も行います。五十肩になる患者様の多くが普段の姿勢や体の使い方で肩関節に負担がかけやすい体になっていることがあります。そのため、肩関節の動きに影響を及ぼす部位への可動域訓練や姿勢・動作指導を行うことで再発しにくい体づくりをサポートさせていただきます。